リンパ療法学院監修 リンパマッサージ師として第二の人生を切り開く人へ
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好転反応とは、文字だけ見ると、「良くなっていくことかな?」と思われる方も多いでしょう。実際、のところは体調がよくなっていく「過程」のことを言います。しかし、気をつけていただきたいのは、この「過程」において、一時的に体調が悪くなることを指している言葉なのです。
もともとは、東洋医学において、使用されていた言葉で、正確に言うと「身体に蓄積されてしまった疲労物質や老廃物がマッサージなど外からの刺激によって血液に流れ込み、排出される際に一時的に体調が悪くなること」です。
好転反応が出てくる時期としては、個人差もありはっきりとは分かっていません。しかし、好転反応が出ても、3日から1週間程度で落ち着くといわれています。また、すべての方に好転反応が出るわけではありません。まったく出ない方もいますので、「好転反応が出ないから効果がないのでは?」などの心配は無用です。
リンパマッサージの目的は、リンパ液の流れをスムーズにして、老廃物を排出させることです。リンパ管は人間にとって非常に大事な器官であり、細菌やウイルスなどと戦う免疫と深い関わりがあります。つまり、戦いに負けた細菌やウイルスもリンパ管は運んでいることになりますし多くの老廃物も運んでいます。リンパマッサージで老廃物を含んだリンパ液を流すため、リンパ管を刺激することになります。流れが良くなり一気に老廃物を排出しようとしますから、身体全体のバランスを取るために好転反応というかたちで異変が生じると考えられています。
好転反応の具体的な種類としては、さまざまなものがあります。以下に一部の症状をまとめてみましたので、参考にしてください。
以上のようなもののほかにも、「痛む場所の変化」という現象が出る場合もあります。この減少は、最初は肩こりが発生して、それが収まったと思ったら、今度は首が痛くなる。というように痛む場所が変わることです。これは、複数の場所が同時に痛むのに、痛みが強いところだけを感知して、その部分の痛みが和らいだときにいままでも痛んでいた部位を感知する、といった現象と考えられます。
また、好転反応は通常の病気のような症状が出ることもあります。病気と好転反応の見分け方としては、好転反応の場合「不調な部分もあるが好調になった部分もある」ということです。「肩こりが出てきたが、お肌の調子は良くなった」などの場合は好転反応と考えて良いでしょう。しかし、不調の度合いが我慢できないほどのレベルであれば、それは病気による症状の可能性が高いです。我慢をセずに病院を受診してください。
好転反応は人によって出る人・出ない人がいると述べました。では、どのような人がでやすいのでしょうか?その特徴を知っておきましょう。
リンパマッサージに限らず、鍼灸や整体などの施術を初めて受ける場合は好転反応が出るという人もいます。施術前に「施術を受けたことがあるか?」と聞かれることもありますが、もし聞かれなかった場合は、ご自身で「初めてだ」と伝えておく必要があるでしょう。また、施術を施す人も施術を受ける人に施術経験の有無を確認しておくことが大切です。
何らかの治療を受けていて薬を長期間服用している場合、リンパマッサージを受けたあとに重めの好転反応が出る可能性があります。治療による免疫力・回復力の低下によって、好転反応が強く出てしまいやすくなるのでリンパマッサージやそれ以外の施術を受ける場合は、医師と相談して受けるようにしましょう。施術者も施術を受ける人の病歴や常に服薬している薬がないか、確認を怠らないようにしましょう。
肉や脂肪分の多い食事、インスタント食品ばかりを食べている人も好転反応が強く出やすい傾向にあります。肉や脂肪分の分解時やインスタント食品に含まれる添加物には体に良くないものが少なからず含まれています。これらの物質が体に蓄積されていくと、血流やリンパの流れが滞り体全体の不調につながります。体の不調を整えようとリンパマッサージを受けた場合、長年蓄積された老廃物や毒素がリンパ管を通るのでリンパ管が刺激を受けることに。その結果、強めの好転反応が出やすくなってしまうのです。
ストレスや疲労は免疫力を低下させてしまいます。また、睡眠時間が短いと十分に体力・気力を回復できず、その結果抵抗力や回復力が弱ります。その結果、リンパマッサージやそれ以外の施術を受けた場合にも好転反応が出る可能性が高まるのです。
好転反応は、一時的なものですが、症状が回復するまでに4つのステップがあるといわれています。その各ステップについて、ご紹介していきましょう。
リンパマッサージを受けることによって、いままで調子が悪かった機能を回復し始めるステップとなります。身体全体が、アンバランスな状態からバランスを取ろうと動き出している状態と理解してください。この時期にはだるさや倦怠感、眠気などの症状が出ることがあります。
リンパマッサージでは、いままでずっと不調だった身体の機能が、回復していき慢性化する以前の急性期と呼ばれる状態に戻るといわれています。この時期には、最も具合が悪かった部分に反応が出て、その部分が直っていくと次に具合が悪い部分に反応が移っていきます。この時期の特徴としては、具合が悪いところが移動していくということになります。症状としては、便秘や下痢、痛み、腫脹、汗をかきやすくなる、などとされています。
この時期には、細胞が活性化されることで体の解毒作用が表れ、老廃物や疲労要素などの分解・排泄機能が活発化されると考えられています。リンパに老廃物が取り込まれて排泄されていくということです。この時期に現れる症状としては、吹き出物、発疹、肌荒れ、目やに、尿の色の変化などが考えられます。
いよいよ最終段階に入ってきました。体内に溜まっていた老廃物がリンパ管に取り込まれ、その後は静脈に取り込まれていきます。そのため、リンパ液はもちろんのこと、血流も促進されて身体の新陳代謝が促進されていきます。このステップを乗り越えることで、身体の機能は正常になっていくと考えられています。症状としては、発熱、痛み、吐き気、腹痛、動悸などとなっています。
好転反応が起きた場合には、無理をしないことが大切です。特に発熱やだるさなどを感じているときには、可能な限り横になって安静にしていてください。体を休ませることも正常な体調に戻すために大切なことです。家事などは可能であれば、分担してもらって、ゆっくりと休みましょう。
水分を多くとることも重要です。温度は常温がよいとされています。これは、東洋医学で、冷たい水は体を冷やし、体を冷やすと血流などの流れが滞るとの考え方があるからです。好転反応の時期だけではなく、リンパマッサージを受ける場合、施術前と施術後には水分を取るようにしてください。ただ、カフェインを含む飲み物は避けたほうがよいとの説もあります。おすすめの飲み物は、白湯やハーブティー、麦茶、スポーツドリンクなどです。
好転反応には、お風呂も効果的だといわれています。あまり熱いお湯に浸からないで、温めのお湯にゆっくりと浸かるようにしてください。半身浴もよいでしょう。発汗を促すことも重要なのですが、ゆったりとリラックスした気分になることも大切です。バスタイムを有効に使って、好転反応を和らげましょう。
上記の「安静にする」ということと共通しますが、睡眠をしっかりととることも重要です。特にだるさなどがある場合には、早めに寝ることをおすすめします。身体を休めることは、健康の基本ですから、しっかりと守っていきましょう。
よく聞く「もみ返し」という言葉があります。これは、マッサージを受けたときに揉みすぎてしまうことによって、筋肉が炎症などを起こしてしまい痛みが出ることです。身体の回復が進んでいる好転反応とは異なる現象ですから、明確に区別をしておきましょう。
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